私の家には3つの管理機と、1つの耕耘機（耕運機ともいう）、1つのトラクターがあります。
そのうちの1つの管理機がこちら。
「えっ 管理機と耕耘機とトラクターって何が違うの？」という人が多いと思うので、
「車体の上に椅子があってそれに乗る＝トラクター」
「車体がデカい・車に乗らない＝耕耘機」
「耕耘機より車体がコンパクト・いろんなオプションが付けられる＝管理機」
…と覚えるとよいかと思います。でも、農業に詳しくない都心部の方には管理機という言葉は馴染みがないと思うので、ここでは管理機も「耕耘機」と呼ぶことにします。
で、この耕耘機が家にずっと放置されていたのですが、親父曰く「いろいろ研究してみたが、ガソリンが漏れて使えない」というので、親父の死後、親父の無念？を晴らすべく、この耕耘機を直してみようじゃないかとなったわけです。
お、耕耘機か！ どこの耕耘機だ？という人のために
はい、マメトラ農機株式会社のSRV35Dです。
拡大するとわかると思いますが、エンジン部分の製造元が三菱重工業株式会社となっています。
マメトラ農機株式会社（以下、マメトラ）は2023年に廃業してしまいましたので、今後パーツなどが手に入らなくなってくると思われます。
エンジンに関しては三菱重工にパーツを求めれば見つかる可能性もありますが、こんな古い機種の三菱重工のサポートが充実しているか…？と言われたら微妙でしょうし、壊れる場所はエンジンだけではありませんので、やはりこれからはパーツ不足問題が深刻になると思われます。今ある機材を大事に使わないといけませんね。
さて、今回のマメトラくんはエンジンは問題なく起動します。いい音がしてこれからもずっと使えそうです。
ところが、この燃料コックからポタポタとガソリンが漏れてしまうのです。
ここが燃料コックです。コックを縦にすればガソリンが流れ、コックを横にすればガソリンが止まります。全体的に汚れていて、燃料カップ（と呼べばいいのかな？）も茶色く劣化していますね。
燃料ホースなども含めて劣化が進んでいるので、丁寧に外していきます。
取り外したついでに中を見てみましょう。
ほほう。こういう構造なのね、と眺めます。
とりあえずこの燃料コックを外して構造を研究します。でも、オリジナルの状態をよく知らないので、農機具屋さんに行って相談してみたら、バネの位置がおかしいと指摘されました。
耕耘機などのメンテナンスに詳しい人が見たらすぐわかると思いますが、こんな場所にバネがあるのはおかしいですよね。
そこでこの順番に組み立ててみます。
こうやって燃料コックの隣にバネが来ないといけません。
この順番にして組み上げてコックをひねったら、画像内の茶色に変色したプラスティックが割れてしまいました。
がーん。どこで間違えたのでしょうか。それとも寿命でしょうか。
仕方ないので、ネットで互換性のありそうな燃料コックを探してみます。スバルが出している燃料コックが一番近い形・近いサイズだったので、これをネットで購入。
これを移植しようと思い、分解をしてみたら、
同じ構造をしていますね。
では、なぜプラスティックが割れたんだろう…。
しかも、スバルの燃料コックの内部プラスティック部品は形状が違うため、移植できません。仕方ないので、割れたプラスティック破片２つを接着剤でつなぎ合わせてなんとか使えるように神に祈ります。
その後、スバルの燃料コックを分解していろいろ眺めていたら、あることに気づきました。
「なるほど！ 滑らかに動くようにグリスを塗布する必要があったのか！」と一人心の中で叫び、改めてこの状態に持っていき、
リチウム万能グリスを塗布して組み上げます。
すると、スムーズに燃料コックが捻れるようになりました。
古い燃料カップを外し、新しい白いカップにはめ替えて
組み立ててみます。これでどうでしょう。
無事に漏れを止めることが出来ました。親父の無念を晴らしたぜーというところでしょうか。